東条の書斎部屋

政治ブログをふと作ってみたくなりました。試験的にやってみます。

米議会迷走 核抑止システム崩壊の危機

はじめに

現在のアメリカは、大統領、議会共に共和党が実権を握っておりこれだけ見れば、安定した政治運営ができるはずでした。

 

しかし、トランプという今までにない大統領の存在によって、共和党内でも意見が分かれています。

 

この共和党の一部、民主党の反トランプの姿勢によって、多くの政策がストップしています。

 

テロ防止のための入国制限や、メキシコの壁設置はトランプの要と言える政策ですが、議会やあろうことか裁判所まで邪魔してくる始末です。

 

そんな足を引っ張ることしかしていない、議会がとんでもないことを決めようとしています。

 

これは日本にも関わるどころか、世界全体に関係する事なので今日はこれを書きたいと思います。

 

今日のテーマは「米議会による大統領の核発射命令の制限」です。

 

 

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核のボタン

 

 

なぜこのタイミングなのか

現在、世界で最も強い軍隊を持っているのは、アメリカです。アメリカは通常兵力も他国を圧倒していますし、何より核兵器を大量に保有しています。

 

この世界を死滅させることができる核兵器を、自由と民主主義の名の下に使うことを宣言しているからこそ、核の抑止が働き我らは平和を享受しているのです。

 

しかし、そのアメリカの長の権限である核兵器の使用ボタンを制限しようとする動きがあるようです。

 

ドナルド・トランプDonald Trump米大統領北朝鮮金正恩キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が北朝鮮の核・ミサイル実験を機に激しい言葉の応酬を繰り広げるなど緊張が高まる中、米上院外交委員会(Senate Foreign Relations Committee)は14日、核攻撃を開始する大統領権限の制限について公聴会を開催した。

 反トランプの急先鋒に立ってきた共和党議員を中心とする上院議員らは、大統領が米国の敵国に対する核の先制攻撃を決定すると想定し、公聴会に出席した専門家らに意見を求めた。

 民主党のクリス・マーフィー(Chris Murphy)上院議員「米国の大統領は不安定で気まぐれだ。意思決定プロセスも無謀で、米国の安全保障上の国益から大きく逸脱した核攻撃を命じるかもしれない」と述べた。

 公聴会に出席した議員や専門家らは、米国が核攻撃を受けるか、攻撃が差し迫った場合には、合衆国憲法に基づき大統領には国を守る完全な権限があることを確認した。米国では大統領だけが「核のボタン」を押すことができる。

 ボブ・コーカー(Bob Corker)委員長は「(大統領の)命令が下され、確認されれば、それを覆すことはできない」と語った。

 論点の一つとして取り上げられたのが「差し迫った」状況の定義だ。北朝鮮がミサイルを発射台に載せれば差し迫った状況と言えるかもしれないが、その他の場合は解釈が不明確で、厳格な定義はないとの意見も出された。

 2011年から13年まで米戦略軍(US Strategic Command)を率いたロバート・ケーラー(Robert Kehler)氏は、基本的な軍の指針に言及し、「軍は合法的な命令に従う義務がある。しかし、違法な命令には従う義務はない」と述べた。

 合法的な命令についてケーラー氏は、軍の指針である「必然性」と「均整」も核攻撃の決断に適用されるとしたが、大統領による核攻撃命令が違法だと判断した場合にどのような対応を取るか問われると、「正確には分からない」「人的要因も影響する」と述べるにとどまり、仮定の質問への回答にちゅうちょする場面もあった。

 

 これを見て気付くことはありませんか?

 

彼らはトランプは狂犬のようで、いつ核兵器のボタンを押すかわからないから制限しようと言っているのです。これじゃあ北の豚さんと扱いが同じじゃないですか。

 

考えても見てください。今まで米大統領が核を使う恐れがあることは、いくらでもあったはずです。

 

朝鮮戦争ベトナム戦争キューバ危機、アフガン、イラクその他…

 

どこの時点でも大統領の核ボタンの制限の話しもなかった。

 

これはトランプが大統領だからという理由だけで話が進んでいるとしか考えられません。

 

核抑止崩壊の危機

現在、国際社会は核の抑止によってバランスを保っています。そのため、大国間の間では一度も戦争が起こっていません。

 

北朝鮮は核の力によって日本や韓国に対して圧力をかけています。しかし、我々は北朝鮮に毅然とした態度で対応しています。なぜ臆せずものが言えるのかといえば、アメリカの核に守られているからです。

 

核には核でしか報復できないのであれば、アメリカの核は日本の生命線です。

 

その核兵器の抑止に待ったをかけているのが、今回の反トランプ陣営、議会なのです。

 

核は実際に使うことを想定しておきながら、使われない兵器であるというのは有名な話です。

核は使うと公言することに意味があるのです。

 

なのにもかかわらず、アメリカ議会はトランプ大統領の下では使われない可能性があると、世界に発信してしまった。

 

これがいかに危険なことか米議会が理解しているかは知りませんが、日本人はこれに抗議するべきです。いや、世界中が抗議するべきです。

 

なぜなら、核の傘の有効性に疑問を生じさせてはいけないからです。

 

そして、これからのアメリカの核抑止を阻害してはならないからです。

 

日本は自国を守るために核が必要で、アメリカは国際秩序を守るために核が必要なのです。

 

 

さいごに

もしアメリカが、核による平和の構築という使命を放棄するならば、北朝鮮は核強国となり日本も対抗するために核保有国にならざるを得ません。

 

世界に核を広げないためにも、大統領の核の使用にケチをつけるべきではないのです。